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名古屋市千種区『HoshiFuru』がマスカルポーネを使わない理由。 1990年代ティラミスブームを見つめた店主の答え

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名古屋市千種区の静かな路地裏に佇むティラミス専門店「CAFE HoshiFuru」。

1990年代のティラミスブームを見つめてきた店主・佐藤さんが、なぜ“王道”を捨てたのか。 その理由を知りたくて、その想いや哲学を伺ってきました。

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1990年代ティラミスブームを見つめた店主の視点

名古屋市千種区。静かな住宅街の一角に、ひっそりと灯りをともす「CAFE HoshiFuru」があります。

扉を開けた瞬間、クリームチーズのやさしい香りがふわりと漂い、どこか懐かしい気持ちに包まれました。 昼はカフェ、夜はBARとして営業するこの店は、アンティーク家具に囲まれた落ち着いた空間が印象的です。

1990年前後、日本中がティラミスブームに沸いていた時代。 街のカフェやレストランにティラミスが溢れ、雑誌やテレビでも連日取り上げられていました。 その“狂騒”を、店主は当時から冷静に見つめていたといいます。

「突然現れた、見たこともないスイーツ。しかも最初は一部の人しか口にできなかったものが、瞬く間に庶民へ広がっていった様子が、とても面白かったんです」

「ブームが去ってもティラミスは消えなかった。 令和になった今も愛され続けている。それが本物の証拠だと思ったんです」

その言葉を聞いた瞬間、なるほどと思いました。

流行の波ではなく、その先にある本質を見つめ続けてきたからこそ、佐藤さんのティラミスには確かな芯があるのかもしれません。

ティラミスを愛する理由、そしてHoshiFuruならではの一皿が生まれた背景を、さらに詳しく伺いました。

ティラミス専門店を作った理由

店主がティラミス専門店を開いた背景には、 1990年代のティラミスブームをただの流行として見るのではなく、 「このスイーツにはもっと深い魅力がある」という確信があったといいます。

「ティラミスは、甘いだけのデザートじゃないんです。 素材の組み合わせやバランスで、味わいがまったく変わる。 その奥行きをきちんと伝えられる店を作りたいと思いました」

その言葉を聞いたとき、ティラミスという一皿に向き合う姿勢が、専門店という形に自然につながっていることを感じました。

ブームのその先にある本質を見つめ続けてきたからこそ、HoshiFuruのティラミスには独自の考え方があります。

その象徴ともいえるのが、一般的なティラミスには欠かせない「マスカルポーネ」を使わないという選択でした。

なぜ“王道”を捨てたのか。国産クリームチーズという答え

HoshiFuruのティラミスには、一般的に欠かせないとされるマスカルポーネが使われていません。その事実を知ったとき、正直に言うと「なぜ?」という驚きがありました。

理由を尋ねると、佐藤さんは静かにこう語ってくれました。

「本当に美味しいティラミスを作るためなんです。マスカルポーネは濃厚ですが、素材によっては重たくなりすぎることがあります。繊細な風味を消してしまうこともあるので、国産クリームチーズのほうが“味の余白”を生かせるんですよ」

ティラミスといえばマスカルポーネ。当たり前のようにそう思っていた私にとって、その言葉は意外なものでした。

けれど佐藤さんが目指しているのは、定番をなぞることではなく、素材それぞれの個性が自然に引き立つ一皿。だからこそ、あえて国産クリームチーズを選んでいるのだそうです。

ティラミスの新しい可能性を開き、和の風味や果実の香りが自然に共鳴できる余白をそっと残すためでもあります。

この“味の余白”という言葉が、心に残りました。ティラミスのクリームは濃厚であるほど良いと思い込んでいた私にとって、「余白を生かす」という発想は新鮮で、どこか小さな哲学に触れたような感覚があったのです。

実際に味わうと、コクがあるのに後味はすっと軽く、クリームの密度はしっかりあるのに重さが残りません。その絶妙なバランスに、思わず「こんなティラミスがあったんだ」と心が動きました。

“王道を捨てる”という選択は、奇をてらったものではなく、素材の声を丁寧に聞き、最も美しい形を探し続けた結果なのだと理解できました。

そんな考え方から生まれたHoshiFuruのティラミスは、定番だけでなく季節の素材を生かした多彩なフレーバーへと広がっています。取材時には、次のようなラインナップが提供されていました。

ティラミス:980円
ストロベリーティラミス:1,180円
ダブルベリーティラミス:1,180円
抹茶ティラミス:1,080円
ほうじ茶ティラミス:1,080円
おとなのティラミス アフォガード(大人のみ):1,580円
季節・期間限定ティラミス:1,300円
※価格や内容は取材時点のものです。

夜の表情と、これから広がるHoshiFuruの未来

夜になると店内は間接照明が灯り、昼の柔らかい雰囲気とはまったく違う、落ち着いた“大人の時間”が流れ始めます。

HoshiFuruでは、ティラミスとのペアリングを楽しめるオリジナルカクテルも提供されています。

ティラミスとカクテルの組み合わせは驚くほど美しく、甘さ・苦味・香りがゆっくりと重なり合い、千種の夜にそっと寄り添うようでした。

カクテルは実際にティラミスと合わせながら考案されているそうで、その相性にも店主のこだわりが感じられます。お酒が苦手な方は、紅茶やコーヒーと合わせて楽しむのもおすすめです。

音楽がつなぐ、文化の交差点へ

そんな大人の時間が流れるHoshiFuruでは、ティラミスやお酒だけでなく、音楽もまた、この場所を彩る大切な存在です。

HoshiFuruでは、これまでにも店内で小さな音楽イベントが開かれてきました。

この日出演していた音楽デュオ「Little Beat」の演奏も素晴らしく、思わず手を止めて聴き入ってしまうほど。やさしく伸びる歌声が店内に響き、ティラミスと音楽が自然に溶け合う時間は、とても贅沢なひとときでした。

イベントは投げ銭制で開催されることが多く、ティラミスやドリンクを楽しみながら気軽に上質な音楽に触れられるのも魅力です。

演奏が終わったあとも、その余韻がしばらく心に残っていました。

▶ Little Beat Instagram
Little Beat(@littlebeat.okao)

次回は、11月2日(月)にサキソフォンソロLIVEの開催も予定されています。

佐藤さんは、これからの店についてこう語ってくれました。

「ティラミスを中心にしながら、もっと“文化の交差点”のような場所にしていきたいんです。音楽やお酒、そして人との出会いや会話が自然に生まれるような、そんな空間を育てていきたいですね。」
「昼と夜、それぞれの時間に寄り添うティラミスを届けたい。ふと立ち寄りたくなったり、少し背伸びをして訪れたくなったりするような場所でありたいんです」
ティラミスをきっかけに生まれる、小さな出会いや会話。その積み重ねが、これからどんな場所をつくっていくのか。そんなHoshiFuruの未来が楽しみになりました。

店舗情報

店名:CAFE HoshiFuru(カフェ ホシフル)

住所:愛知県名古屋市千種区内山3-21-11 クルールクリート2階A
駐車場:近隣コインパーキングをご利用ください。
電話:070-9014₋2181
アクセス:地下鉄・JR「千種駅」より徒歩4分
営業時間:平日:14:00~22:00、週末:13:00~23:00
公式Instagram:HoshiFuru(@hoshifuru.cafe)

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