名古屋・栄のオアシス21を訪れた夏のある日。
歩いていると、思わず足を止めたくなる場所がありました。
衣装を選び、着替え、写真を撮る。
そんな非日常を気軽に楽しめる体験スポット「着せかえニッカ」です。
2026年7月、オアシス21に期間限定でオープンしたこの施設。コスプレファンはもちろん、観光客や家族連れなど幅広い人が楽しめる新しい文化体験の場として注目を集めています。

オアシス21で始まった新たな挑戦
着せかえニッカは、ニッカホームが新たに立ち上げたアパレル事業部による取り組みのひとつです。
オアシス21という開かれた場所に店舗を構えたのは、これまでコスプレや撮影に馴染みのなかった人にも、その楽しさを気軽に体験してほしいという思いから。
海外からの観光客や家族連れ、友人同士など、幅広い人に利用してもらいたいと考えているそうです。
名古屋には根付くコスプレ文化がある
名古屋は世界最大級のコスプレイベント「世界コスプレサミット」の開催地として知られています。
国内外から多くのファンが訪れる一方で、東京や大阪、京都と比べると、気軽にコスプレ文化を体験できる場所はまだ多くありません。
アパレル事業部の水谷さんは、「愛知にはコスプレ文化がありますが、実際に体験できる場所や観光スポットはまだ少ないと感じています。映えを意識した衣装やフォトブースにこだわり、もっと愛知をにぎやかにしたいと思っています」と話してくれました。

“変身”をもっと身近に
着せかえニッカは、そのハードルをそっと下げてくれる場所です。
アニメ、ゲーム、和装、制服など多彩な衣装がそろい、スタッフが丁寧にサポートしてくれるため、初めての人でも安心して利用できます。
レンタルした衣装を着たまま、その場で撮影できる本格的なフォトブースも魅力のひとつ。
照明や背景を選びながら、自分だけの特別な一枚を残せます。



特に印象的だったのが、花をモチーフにしたフォトブースです。大胆な色使いと空間演出が目を引き、思わずシャッターを切りたくなります。
服飾の学校に通う娘も一緒に訪れました。私はフォトブースの可愛らしい世界観に目を奪われていましたが、娘は衣装の装飾や縫製を興味深そうに見ていました。
和装と現代的なデザインを組み合わせた衣装や、細かなレース使い、生地の重ね方など、私が見逃していた部分にも目を向けていました。
同じ空間にいても見る場所が違う。その姿を見て、着せかえニッカはコスプレが好きな人だけでなく、ファッションやデザイン、ものづくりが好きな人の心も惹きつける場所なのだと感じました。
「個性の自由」を楽しむ場所


好きな衣装を選び、好きな世界観を楽しむ。
正解があるわけではなく、自分らしさを見つけてもらいたいという想いが込められています。
また海外から訪れる人には、日本ならではの“かわいい文化”や伝統的な装いも体験してほしいそうです。
衣装に込める、水谷さんの想い

着せかえニッカの魅力を支えているのが、衣装づくりへのこだわりです。
高校生の頃から服飾に携わってきた水谷さんは、服飾の専門学校を卒業後、上京して約4年間、ファッションスタイリストとして活動していたそうです。
その後、愛知へ戻ったことをきっかけに衣装制作の道へ進み、現在もさまざまな人とのご縁に支えられながら制作を続けています。
これまで制作してきた衣装は、どれも思い入れが深く、「一番を選ぶのは難しい」と話します。
水谷さんが大切にしているのは、その人自身の魅力や個性を引き出すこと。
同じ衣装でも、スタイリングが変われば印象は大きく変わります。そのため、デザインだけでなく、着る人の雰囲気や個性に合わせた提案も心がけているそうです。
「ただ華やかな衣装を作るのではなく、その方だけのオンリーワンの衣装を届けたい」
そんな言葉からは、衣装への深い愛情が伝わってきました。
「今後も、一人でも多くの方に『モフモザイクの衣装を着てみたい!』と思っていただけるよう、一着一着に想いを込めながら、衣装製作に取り組んでいきたいと思っています」
その言葉どおり、衣装の一つひとつからは、つくり手の情熱と細やかなこだわりが感じられました。
衣装づくりから生まれる人とのつながり
実は着せかえニッカでは、衣装レンタルだけでなく衣装製作も手がけています。
和装を現代風にアレンジしたものや、個性的な創作衣装などが並び、それぞれに独自の世界観がありました。
ご縁があって衣装を制作したアイドルのファンが、「聖地巡礼」として訪れることもあるそうです。
実際に衣装を見たファンから温かな言葉をかけてもらうこともあり、それがスタッフの励みになっているのだとか。
衣装を通じて人と人がつながり、新たな出会いが生まれていることに、この場所ならではの魅力を感じました。

画像:ニッカホーム株式会社提供

オアシス21だからこそ広がる文化体験
着せかえニッカがあるのは、名古屋の中心地・オアシス21。
栄や久屋大通公園、大須エリアへのアクセスも良く、観光の途中でも気軽に立ち寄れます。
友人との記念撮影やカップルのデート、家族との思い出づくりはもちろん、一人で訪れても楽しめるのが魅力です。
実際に体験してみると、ただ衣装を着るだけではなく、普段とは少し違う自分になれる面白さがありますよ。
名古屋から広がる、新しい文化のかたち
「もっと周りを巻き込みながら、皆さんと協力して名古屋の素晴らしさを発信していきたい」
そんな水谷さんの言葉が印象に残りました。
服飾を学ぶ娘が興味を持ったように、着せかえニッカはコスプレファンだけの場所ではありません。
ファッションやデザインが好きな人。
写真を撮ることが好きな人。
そして、少しだけ非日常を楽しんでみたい人。
それぞれの「好き」に寄り添いながら、新しい発見を届けてくれる場所だと感じました。

着せかえニッカは、コスプレを楽しむ場所であると同時に、名古屋の文化やものづくりの魅力を身近に感じられる入口のような存在でした。
知っているはずの栄の景色も、視点を変えることで新鮮に映る。そんな体験が生まれる場所なのかもしれません。
なお、オアシス21店は期間限定出店で、2026年11月末頃までの営業を予定しているとのこと。
気になる方は、この機会に訪れてみてはいかがでしょうか。



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